創業融資を受ける際の8つのポイント

経営実績のない会社に対する融資が創業融資です。
審査されるのは会社だけではなく、創業者自身。

【愛知県信用保証協会では環創1という自己資金要件のない創業融資が誕生しました。事業計画書の作成支援から民間銀行・信用金庫のご紹介も可能です。】

創業融資ならではの8つのポイント

1.自己資金の量

特別な融資制度を除き、自己資金が必要資金の1/10必要です。ただし、安倍総理大臣のアベノミクス以前は自己資金の要件は1/3でした。これは金融機関の経験則として、自己資金が1/3くらいないと経営がうまくいかない。というものがあったためです。この金融機関の感覚は自己資金要件が1/10になっても変わりません。そのため、自己資金は1/10で良いのではなく、少しでも多くして1/3に近づけるということがポイントとなります。自己資金は法人であれば原則として資本金となります。

2.自己資金の質

金融機関は自己資金の見せ金というのをとても気にします。見せ金であれば、自己資金要件の意味がなくなってしまうためです。そのため、自己資金の貯め方というのもポイントになります。給料の振込通帳のお金がコツコツ貯められているというのが自己資金の貯めた経緯が良く分かりベストです。また、コツコツお金を貯めることができる人ということが、経営者の評価につながり、創業融資が有利になります。

3.カードの支払状況

日本政策金融公庫はCICというカード会社を中心とした信用情報機関のあなたの情報を調査します。そこで、カード会社の決済状況を見て、支払が遅れることなく支払っているかを確認します。毎月キチンと支払っている方は借入金の返済もキチンと支払う方だと判断します。また、CICでは消費者金融や車、携帯電話などのローン情報も掲載されますので、どのような負債を抱えているかも審査の判断材料とします。

4.経験

創業しようとする事業の経験が必要です。美容業を開業するならば美容師の経験、建設業を創業するならば建設業の経験がありますと、開業をしてもうまくいくだろうと判断されます。若い方が融資に不利なのは若いからではなく、経験年数が短いから不利になります。開業する事業と全く同じがベストですが、少しでも近い業種または近いサービスの事業を経験していれば、伝え方によっては評価をしていただけます。

5.創業初期の売上の実現可能性

創業融資の場合は、いわゆる過去の決算書がないため、創業者がこれから事業をはじめて売上を作ることができるのか。ということが審査の対象となります。そのため、事業計画書の売上が獲得できる可能性が高いことをアピールしなければなりません。ここは伝え方の問題になりますので、ノウハウなどが非常に重要になります。また、上記3の経験が重視されるのも、経験があれば、美容師であればクライアントがついてくる、建設業であれば、同業者のネットワークがあり仕事が確保されるなどの売上の実現可能性が高いことが理由の1つとなります。あまりにも世に出ていない新規性が高すぎる事業の場合、金融機関は売上の実現可能性が前例から判断できないので、不利になります。そのため、新規性が高ければ高いほど、アピールするための提出資料は大切になります。

5.公共料金の支払い

公共料金を毎月キチン支払っている方は、借入金の返済もキチンと支払う方だと判断します。また、公共料金の支払いはそこに住んでいること、住所が正しいことの証明にもなります。

6.税金の納税

日本政策金融公庫は政府系の金融機関ですし、民間の金融機関も同じですが、税金の滞納がされている状態ですと融資は実行されません。

7.同居の家族

同居の家族に不動産などの資産があったり、収入状況の良い方がいますと、少しは審査に有利に働きます。また、逆に同居の家族に過去に日本政策金融公庫の事故歴がある、連帯保証人として求償されているなどの情報がありますと融資は厳しくなります。

8.創業融資の融資額の最大額の目安

通常の創業融資 1000万円

新規性が高いなどの一定の要件を満たす中小企業経営力強化資金 2000万円

無担保無保証の前提です。不動産担保がある場合は異なります。

日本政策金融公庫のホームページの上限額はもっと大きいですが、不動産担保がない状態で創業融資での現実的な数字の上限は上記となります。

このように、自己資金のためかた、カードの決済状況、経験、事業計画書の売上の可能性、公共料金等の支払い、税金の納税状況、家族構成など創業者自身が審査されます。